
今回は、カオサン通りの近くのジャズバーでジャズセッションのライブを楽しんだ旅行記です。
立ち寄った『ジャズ・ハプンズ』は、バンコクで知る人ぞ知るジャズの名所です。
実際に行ってみるとそこには1つの「シーン」があったんですけれど、そういうアベレージの高い場にある雰囲気って、日本のそれと同じだなぁと感じました。
目の前で演奏してるミュージシャンの気持ちが、なんとなくわかるんですよね。
音楽にしろ、例えばサッカーにしろ、きっとそれは同じ言語になり得て、簡単に国籍を超えて人を結びつける力があるんだと思いました。
それでは、どうぞ♪
この記事の目次
バンコクのジャズの隠れた名所「ジャズハプンズ!」
写真は夕食前に場所の確認で来てみた時に撮影したもの。
チャオプラヤ川沿いの通りにある古い2階建てのショップハウス小さなジャズバー「Jazz Hppens!」。
カオサン通りから歩いて5分くらいの、個性の強いカフェ・バーが集まっているプラアティット通りにあった。
セッション開始は20時からだけれど、まだ明るいうちからサックスとギターのミュージシャンが熱心なリハをしていた。
定休日の木曜を除いて、毎晩2〜3バンドがジャズをはじめとしてボサノバやフュージョンなどのセッションを繰り広げている知る人ぞ知る音楽スポット。
この「毎晩」っていうのが素晴らしい。それが成立してるってそれだけでも結構すごい事だと思う。
「ジャズハプンズ!」ってどんなライブバーなの?
雨を振り切ってお店に入ると、すでに最初のバンドのジャズ演奏が始まっていた。
このバーのオーナーは、タイの芸術大学の最高峰とされるシラパコーン大学でピアノを教えていた事もある有名ジャズピアニスト、Nu Budthivchaiさん。
ここで演奏しているのは彼の目に適ったミュージシャンで、多くはシラパコーン大学やバンコクのマヒドン大学でジャズを専門にする学生やOB、そして講師陣たちだ。
幅広い世代や実力の演奏家が寄り集まってセッションして切磋琢磨する事でお互いに腕に磨きをかけて行く実験的な場所にもなっている。
音楽目当てできたので飲み物などは適当に注文した
とりあえず炭酸飲料。バンコクは冷えた飲料水が本当に美味しく飲める。
ただ、缶のプルトップに氷が張っていて開けられなかった。
指でこすって溶かしたんで平気だったけど。
夜なのについついポテト頼んじゃった。。
ジャズハプンズ!で若々しいライブ演奏を楽しんだ
最初のバンドは20歳前後の見た目の若いグループだった。
基本的な演奏力はついているものの、有名曲をなぞって自分の中にインプットすることに集中しているのがわかる音。
いわば守破離の守に徹してる感じ。
いろんなフレーズやルールをどんどん試している感じで、自分のものにする前の棒読みな音。
ただ、中にはすでに自分の音を出しているミュージシャンもいて、それでも十分僕は楽しめた。
例えばリーダー格のサックスの青年はその音から彼のハートが伝わってくるように感じた。
あと、ドラムの女の子の音も個人的にはツボだった。ツボるということは個性がにじみでているということだと思う。
他のミュージシャンもスキルを磨くうち、自然に、大量にインプット・モデリングした名曲名演のエッセンスを消化して初めて自分の音を紡ぐようになるんだろうということを予感させられるのだった。
ジャズに情熱を持つ人たちが集まり熱いコミュニティが出現してくる
週末はジャズを愛する人たちでとても混み合うと聞いていたけれど、僕がきた火曜の夜8時は、さすがにまだお客はまばらだった。
ライブハウスにしろクラブにしろ人が集まり出すのは夜が深まってからなのは日本もタイも同じみたいだ。
20時頃はほとんど人はまだ集まっていない。
それでも一番手のバンドは愚直に音を紡ぎ、地道に場を温めて行く。
それが次のバンドが演奏する時に良い空気をもたらし、音楽スポットをより素敵な魅力的な場所に育てて行く。
人はポツポツと、しかし着実に集まってくる。
ジャズを共通言語、共通の価値観とするお洒落で個性的な魅力のある人たちがジワジワと箱に熱気をもたらしてくる。
チップ用のボックス。
投げ銭的な感じだろうか。
チャージは特になかったかな。
バンコクでジャズを呼吸する人たちの夜。
「私たちの演奏は一旦終わりますが、この後も素敵なバンドが出るので、どうぞごゆっくりお過ごしください」
最初のバンドのキーボードの女性がそうアナンスした後、一旦雑談タイムに。
気がついたら店内には人が増えていて、夜を楽しむように過ごしてる。
野外席でもお酒を美味しそうに飲みながら楽しそうに会話してるジャズ好きな人たち。
こういう夜の街中で、外の空気を感じながら同じ音楽を楽しむ時間ってすごく贅沢だと思う。
まさにこれから面白くなるだろうなという時間が残念ながら僕が宿に戻る時間と重なっていた。
ほんと、もっとずっと見ていきたかったなぁ。またバンコクにくる時の楽しみにとっておこうと思う。

次回は雷鳴とどろく夜に、初めてバンコクの路線バスに乗って見た旅行記です。
お楽しみにっ!
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